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STRONTMANの3度目の頂点〜戸原開人

全日本トライアスロン宮古島大会。

Jero Hondaが撮った

完走者STRONGMANの3度目の頂点に立った戸原開人の写真。

戸原本人が書いたレースレポートとともに、お届けします。

ライブ感溢れるありのままの言葉は、人柄がしのばれますね。

✳︎尚、レポートは、自転車Factor をスポンサードしている日本代理店のトライスポーツ宛に本人から送られたものを、本人とトライスポーツの許可をえて、そのまま転載しています。


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35回全日本トライアスロン宮古島大会 レースレポート

 

日時   2019414

場所   沖縄県 宮古島市

レース距離 スイム3㎞、バイク157㎞、ラン42.195

結果   優勝

1位   戸原開人   7時間5543

2位   西内洋行   8時間3519

3位   Robins Daniel 8時間3716

 

今年もシーズンイン!!先ずは宮古島トライアスロンに出場してきたよ。

宮古出発前の茨城県は冬に戻ったかのような気候だったので、暖かい宮古島に行くのがとても待ち遠しい。ウキウキしながら飛行機に乗り込み宮古島に到着すると、まさにそこは楽園!暖かい気候、青い海と白い雲、黒い砂糖が出迎えてくれた。どれもめっちゃ好き。

 

さて、昨年末に宮古島の内定選手が発表された段階では、強いウクライナの選手が宮古島の出場選手者リストに入っていたため、彼に勝利することを目標にトレーニングを積んでいた。

また、ライバルとなりそうな主要選手の動向はSNSでチェックしていたけれど、どうやら軒並み出場を取りやめたみたいだ。ウクライナの選手はSNSがあまりアクティブじゃないので、出場するか最後まで分からなかったけれど、宮古島に着いて大会関係者の方からその選手含め、今年は海外招待選手がほとんど来ていないことを聞く。という訳で自分にとっては逃してはならない優勝のチャンスだ。必ず勝つぞー。

 

例年通り楽しい宮古時間を過ごし、いよいよレースの朝!ウォーミングアップを済ませレースの号砲が鳴る!!!!

と思ったら天候不順等で15分スタート時間が遅れる。ビーチでウエット着た選手達が1500人体育座りしている光景は中々面白い。運動会でも始まるのかなー。

やることなくて暇なので横にいた唯一の外国人招待選手のダニエルに話しかける。彼のことはイマイチ把握しきれてないので情報収集したいし。

彼のお兄さんは私も知っているプロ選手で彼自身はエイジの選手だ。僕は強くないよーと今横で話してるし、記者会見でも3位が目標と言ってたし、優勝争いには加わらなそうだ。彼にはレーススタートが遅延したこと、いつスタートするか等を教えてあげた。真横にいる彼とコミュニケーションをとればバトルも起きにくいし、有益な時間だった。さて、15分経ったのでスタートしよっと。


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スイム

3キロ 4107ラップ6位 

ウエットスーツ HUUB AGILIS

号砲が鳴りビーチをダッシュしたらドルフィン1回。ポイントとなるスタートの練習を宮古島入り後からビーチで繰り返してきたので、腕をまわし始めるころには頭一つ抜けていた。それから後続が数人抜いてきたところで後ろに着く。前が遅れそうになったら急いで追い抜いて、前方の集団から遅れないようにする。しばらく泳ぐうちに落ち着いてきて先頭パックに乗れているみたいだ!やったぜ。一人選手が集団から抜けだして泳いでいるけれど、NSIの西内選手、ZOHNの小池選手、ケンズの原田選手、宮古出身の親泊選手等のスイムの格上選手のうち3人以上はこの集団にいるはずだ!そして横にいる選手は腕に刺青を入れている。インドネシアの人気選手のアンディだ。彼はインドネシアの水泳選手として過去オリンピックに出場している、自分より泳力のある選手だ。2年前彼が東京に遊びに来たとき一緒にウナギを食べに行ったなー。とにかくいいパックなのでこぼれないように気を付ける。

集団の後方でHUUBのウエットスーツ着て泳いでいれば、自分より速い選手相手でも楽に泳げる。2周目も順調に距離を消化していたけれど、最終ブイを回った後、集団が左右に大きく二つに分かれて、どっち行こうか悩んでいたら、かなり遅れてしまった。ミスをしたけれど、残り短いから大きく遅れることはないし、人の後ろを泳いで抵抗を減らす恩恵もないほど前の選手と離れたのでバイクに備えてゆっくり泳ぐ。


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バイク 157キロ 4時間435秒(T1含む)ラップ2位 

 

バイク Factor Bikes SLICK

ホイール CORIMA 3 SPOKE, DISC

タイヤ VELOFLEX CARBON

サドル ISM PN3.0                     

チェーン CERAMIC SPEED UFO Chain

リアディレイラー CERAMIC SPEED OSPW

オイル CERAMIC SPEED UFO Drip

レースウエア Pearl Izumi AIR TRISUIT

バイクシューズ Pearl Izumi P.R.O LEADER V4

 

 

ゼッケン1番はトランジット位置が優遇されていて、そのアドバンテージを生かしながらほぼ先頭でバイク乗車。スタート後は雨がとても強く、不用意な落車ですべてを失わないように注意しながら漕ぎ続ける。

パワーメーターを見ると、とても良いパワーが表示され続ける。体感もきつくないのでとても調子が良い。練習でも好調だったし、たぶんいいバイクパートになるだろう。FACTORバイクの空気抵抗はとても低いので、グングン進んでいく。さらに今回バイクの駆動部にはトップ選手の使用率がとても高い、駆動抵抗を少なくするアイテム、CERAMIC SPEEDの製品を使用した。こういう積み重ねが大きな差を生むのだ。

さて、順調に漕ぎ進めて伊良部島で30キロ地点の情報をGETする。2位松丸さんと5分差と聞き、ご近所鬼ごっこでもしてる気分になる(松丸さんの自宅から3キロの所に住んでいる)

スイムの差を考えると、バイクの30キロでおそらく後続を引き離しているはずだろう。自分は他の上位候補よりもランが得意だと思うので、かなり手堅い位置でレースしていると感じた。

その後も調子よく快調に飛ばした。沿道からはたくさんの方が後続とのタイム差を教えてくれて、非常に有難かった。特に石橋君ありがとう。タイム差は順調に広がっていき、8分程度の差までは後続と対面する東平安名崎の折り返しでさえ、誰にも遭遇しなかった。後半もヘロヘロになることなく、自分でペースをうまくコントロールして走れていると感じた。後続は13分空いているので、多少の失敗では負けないだろう。安全策に走らずランもしっかり走ってオフトレの成果を見るぞ。


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ラン 3時間1001秒 LAP 3

ランシューズ Reebok Floatride RUN FAST

 

序盤いつも飛ばしてしまうので、感覚としてはゆっくりめに入る。どうせ高速ペースはもたないので1キロあたり4分を大きく切らないようにして走る。シューズの選択は最後まで悩んだけれど、リーボックのラインナップで最軽量(100グラム)のモデルではなく、長距離走ることを考慮して、もう少し厚みのある上記モデルをチョイスした。こちらも非常に反発が良いので、良い感じで足が進む。往路中盤からゆるい向かい風と登り坂で目標ペースから遅れて少し焦るけど、大きな疲労もないのでこのままペースダウンしないように走りきりたい。今日は事前の予想ほど暑さも感じないし大丈夫だろうと、身体を冷やさず快調に走る。

折り返しを過ぎてしばらく走ると少し意識がぼやける感覚が出てきた。やべっ、と思いペースを少し緩めて次のエイドで初めて立ち止まって身体を冷やす。よし、気を取り直して頑張るぞ!ほどなくして暫定2位の竹谷選手と対面する。その辺りから私は熱中症に陥りはじめフラフラしてきた。目標ペース意識して走るのは無理そうだ。そこは諦めよう。対面位置から考えると30分は後続と空いているので、オフトレの成果見るのは別の機会にして、優勝を決める為安全に走る。エイドで止まって水を浴びまくってとぼとぼ走る。暑さを感じる前に冷やさないとダメだなと痛感した。残り距離は沿道の声援や対面選手の応援を受けながら危なげなく消化してフィニッシュした。

 

結果 優勝 7時間5543秒(3勝目、2015年、16年、19年)

 

今年は招待選手の欠場が相次ぐ中でのレースだったので、現役プロの自分が負けられないと思い臨んだ。準優勝の西内さんは目の病気や多忙な仕事や子育て等の中でレースを走っているので、自分の優勝より100倍は凄いと感じる。だからこそ自分の立場だと絶対に優勝しなくてはならないのが今年のレースだった。


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スイム、バイクと成長を感じられ、ランで今後の糧となる失敗を経験しつつも優勝出来たのでシーズン初戦としては悪くない内容だった。IRONMANはレースのレベルがとても高いけれど、宮古島で勝ちつつ、IRONMANのディープな世界で戦えるようにしたい。

という訳で今後も皆様応援よろしくお願いします!