取材日誌の最近のブログ記事

ここ10年ほどは、3年に1度しか当選していなかった全日本トライアスロン宮古島大会。

それが今回は昨年に引き続き、2年連続で当選した。

昨年は自分なりに練習を積んでのぞんだにも関わらず、
バイクもランも満足のいく結果ではなかった

2017年(55歳)

12:45:56 (858/1552人中)Swim 1:10:15 (734/1552) Bike 6:18:37 (1105/1552) Run 5:17:04 (749/1552)


せっかく当選したのだから、今年こそという思いがあった。

「謝さん、痩せました?」と数人から言われたことからも、

昨年以上に練習したという実感はあった。

また1週間前からはテーパ期ももうけ、

疲れを残さないように注意もしていた。

仕上がり具合からして、昨年のタイムは軽く超えられるだろう。

昨年は、自己ベストの11時間45分切りを最大の目標にしていたが、

昨年の失敗を踏まえ、

Swim 1時間15分以内 Bike 6時間以内 Run 5時間以内 T1.T2 15分以内

今年は、より12時間半切りという現実的な目標タイムにも設定していた。


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今年から2周回になったスイム。

バトルを避け、大外の左端からスタートして、

かなり膨らんだものの、ブイを曲がってからは、調子よく泳ぐことができた。

2週回目は、最後のブイを曲がったところから先のコースを勘違いして、

大きく膨らんでしまって1分くらいはロスしたが、

それでも2周回になったことで渦ができていたせいか、

思いの他、スイムタイムは昨年よりかなりよかった。

SWIM 1:02:26(ガーミンタイム)

T1   0:11:50


気をよくして、バイクパートへ。

この3ヶ月、最も力を入れて練習していたバイク。

宮古島合宿をした3月は1200キロは乗っていた。

3種目で最も苦手な競技ではあるが、

その分、伸びしろがあるはず。

6時間切りは当然、5時間半も行けるか?

しかも冷静であった。

「最初は追い込まず、池間島をまわってから本格的にスタートする気持ちで」

という竹谷さんの宮古島攻略コラムで書いてあったことを実践するつもりで、

あまり追い込まずに伊良部島を回った。

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伊良部島大橋を渡りきって、池間島に向かう途中から異変が。

追い込んでいないはずなのに、身体全体に力が入らないのである。

しかもDHポジションをしていると、腰痛の症状が。

いつもは100キロ過ぎから出ることがあるのだが、まだ序盤だというのに。

腰痛が出ると、DHポジションを維持できなくなってしまう。

自然とスピードも遅くなる。

「うーん、なんだか調子が悪い」

池間島を回って、もう我慢ができなくなり、

池間大橋の前のトイレでバイクを降りて休んでしまった。

ストレッチをして、せっかく降りたのだから補給もしっかりして、先へと進む。

でもすぐに身体全体が怠く、力が入らなくなる。

「おかしい」という焦りだけがぐるぐると頭の中を駆け巡る。

調子の悪い原因がわかれば対処もできるのだが、

はっきりとした原因などわからない。

池間から東平安名崎までは、向かい風だし坂もある。

100キロ過ぎから失速した去年でさえ、この区間はDHポジションでガンガンいけた。

コースを周知しているだけに、この先の難所のことを思うと

「りタイア」の文字がチラつくほど。

それからのエイドステーションは、すべて降車。

ストレッチをして、身体をリフレッシュしてようやく前に進むという感じだった。

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何人の選手に抜かれただろう。

だましだましマイペースで前に進むしかなかった。

エイドステーションでの滞在時間も次第に長くなる。

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photo by Jero Honda


130キロ地点のスペシャルエイドでは、10分以上も滞在してしまった。

椅子に座って、預けていたタルトを頬張るも、期待していたほどの回復はなかった。

青息吐息で2週回目のコースを回り、

あと3キロほどでバイクフィニッシュというところで、

優勝したキャメロン・ブラウンがフィニッシュした花火の音が聞こえた。

ぐぐぐ。フルマラソンを終えている選手もいるというのに、

自分はまだバイクパートも終わっていない......。


BIKE  6:44:22

T2    0:11:29

バイクフィニッシュしたのは、15時少し前だった。

トランジッションで着替えていた選手から

バイクフィニッシュの制限時間は15:20だったことを聞く。

かなりギリギリだった。

それまで制限時間など気にもとめていなかったが、

ということはランもあまり余裕がないのではと、

その時、はじめて気づく。

気持ちばかりが焦って、うまく計算できないのだが、

20:30が大会の制限時間だから、

残りは5時間30分しかない。

着替えている間に、あっという間に10分は経過している。

ということは、残り時間は......。

しかも確か途中にも関門があったような。

かなり危機感を覚えた。


走り出してみると、調子は悪くはなかった。

速くは走れないのだが、キロ6分半前後では走ることができた。

それでも先を行く選手をどんどんパスすることができた。

復路の速い選手たちには、顔見知りも多い。

「謝さん、大丈夫?」

そう言われて、自分かかなりヤバい位置にいることを知る。

さらに危機感が増す。

折り返しまであと2キロくらいのところで、

歩いているTTメンバーに会った。

彼はバイクが得意で、ランはあまり練習しないのだが、

それでもどんな大会でも確実に完走をしている。

彼は、「この位置だとキロ9分で歩けば大丈夫」と告げた。

4キロ先の彼に追いつけば完走できるだろう。

ひとつの目標ができた。

それまでなんとか頑張ろうという気になった。

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折り返し地点の電光掲示板は、10:36を示していた。

あと3時間弱。

往路の途中から、いつものように固形物は受け付けなくなっていた。

ハーフのエイドで禁断のコーラをはじめて口にした。

失敗すれば、確実に嘔吐するのだが、

コーラはエネルギー補給の最後の頼みの綱だった。

コーラを口に含んだとたん、吐き気が襲ってきた。

それをじっとこらえて我慢しているうちに、なんとか吐き気がおさまった。

それからは、コーラと塩だけしか受け付けなくなった。

30キロ地点で、

応援している河原勇人選手から、

「謝さん、キロ8分で走れば大丈夫」と声をかけてくれた。

宮古島大会も優勝経験のある河原選手の言葉は心に響いた。

その時点で、キロ7分半前後で走っていた。

エイドでのロスタイムを加えても、

このペースを守れば、間に合うんだという前向きな気持ちにさせてくれた。

7キロ手前あたりで、キロ9分で歩いているメンバーに追いついた。

「ちょっと遅れているから、走ったり歩いたりしている」とのこと。

その言葉に、まだまだ完走の確信は持てなかった。

でもこれ以上、速く走ることはできない。

キロ7分半が精一杯だった。

完走を信じて、もう淡々と走るしかない。

繁華街に入ると、いっぱいいっぱいながらも、次第に力が漲ってくる。

残り1キロというあたりで、何かが弾けて、

スピードが上がってくる。

最後の坂もスピードを緩めずに走ることができた。

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photo by Jero Honda


そして競技場に入り、フィニッシュ。

制限時間8分前のゴールだった。

RUN        5:12:29

TOTAL   13:22:36  

○ガーミンの記録

https://connect.garmin.com/modern/activity/2644206871/5

○公式記録

Swim. 1:02:27. 743/1572  
Bike. 6:56:11 (T1含む) 1449/1572
Run. 5:24:03 (T2含む) 735/1572
Total. 13:22:41. 1174位/1572人中

むむむ。

バイクの不調の原因は、いまだにわからない。

結局、バイクが苦手なノロ亀旅烏、健在。

まったく進化していないじゃないかぁ。

進化どころか退化しつつある。

苦手意識が、さらに加速したのである。

しかしながら、すれ違う選手や沿道の応援の励ましの中、

最後のランで制限時間と闘いながら、

最後まで粘れたことは良しとしよう。

すれ違う選手や沿道の人たちの応援は、大きな力となった。

声をかけてくれた、みなさんありがとうございました。

だからロングはやめられない。


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第1回松本マラソン。

松本は旅烏の生まれ育った街である。

特に最初の5キロは、幼い頃から馴染みのある場所だ。

大会当日は、秋の清々しい快晴に見舞われた。

101日の開催と、マラソンシーズンにしては早い開催日。

トライアスロンシーズン中は、

ラン単体では月50km100kmだったし、

直前の9月も150キロ止まりで付け焼き刃。

そのため地脚ができていないので、ファンランに徹して、

ランナーの視線で記憶の中にある街を楽しみながら、

キロ6分で行き、30キロ過ぎからペースアップする作戦。

サブ4を出せたらいいなぁくらいな緩い感じ。

参加するトリップメンバーとエールの交換をして、

それぞれのブロックに並ぶ。

IMG_9296.jpgのサムネール画像

申告タイムではなく、ベストタイムでブロックが決まっているのか、

なぜか8ブロックあるうちの2番目のブロックと前の方。

往年の名ランナー、

東京オリンピック8位でゲストランナーの君原健二さんの挨拶も

背伸びすれば、見ることができる位置だった。

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ほどなくスタートの合図。

スタートまでのロスタイムは1分ほどしかない。

こりゃ、まわりのペースについていっては、

必ず潰れるからとマイペースで走る。

それでも最初は下り基調なので、

どんどん抜かされるも、気づけばキロ530ちょっと。

あわててスピードを緩める。

お城や松本市の中心部は、通っていた小中学校の学区内なので、

懐かしさと変容した街並みを見ながら走り抜けた。

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その後は、川沿いなど市内郊外へ。

ハーフ地点手前のコース上に住んでいる弟夫婦の応援があり、

写真を撮ってもらった。

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ここまでで、2時間。

ほぼ予定通りのレース展開。

ダメージも感じていなかったので、

35キロまでこのペースでいって、その後ペースアップすれば、

余裕でサブ4はいけそうだった。

35キロ過ぎまでは、坂では少々遅れ気味になったが、ほぼイーブン。

35キロを過ぎ、さあ、ペースアップという感じで、

気持ち的には、ガンガン走っていて、

周りのランナーを次々と抜いていけるのだが、

なぜかキロ630前後になってしまう。

微妙にアップダウンがあり、向かい風のせいなのか。

せめてキロ6分前後にしようと頑張るのだが、

スピードがあがらない。

残り3キロから、身体中が怠くなり、さらに失速。

ラストスパートするために、体力を温存したはずなのだが。

結局、キロ7分台に突入するという体たらく。

最終的には、いつものようにヘロヘロ。

手前1キロのところで、「謝くん、頑張れ!」との声。

見れば中学時代の同級生。

名前の入った応援プレートまで用意してくれていた。

感謝、感謝。

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少し元気になったものの、それ以上は速くは走れず。

ヘロヘロのままフィニッシュ。

4時間22分という。トホホなタイムになってしまった。

旅烏のレース展開はイマイチだったが、

運営もしっかりしていて、

秋晴れだったので、

槍ヶ岳や常念岳などの北アルプスの秀峰も見えたし、

沿道の応援も多くて、

なかなかよい大会だと思った。

またフィニッシュ会場の松本空港周辺の信州スカイパークは、

芝生が敷き詰めていたり、森の中のランコースなどが設置されていて、

とても居心地のよい場所だった。

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生まれた街で、こんな素敵な大会が生まれたことは感慨深い。

今後は毎年出場する恒例の大会になりそうな予感。

https://connect.garmin.com/modern/activity/2024189713

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 備忘録

○ウエア   トリップ半袖ランニングシャツ、トリップトレイルランパンツ バイクキャップ、5本指靴下

○靴     ON Cloud  Diver & Lime

○携帯補給食  ●前日就寝前▶「アミノバイタル®アミノプロテイン」●レース1時間前▶「アミノバイタル®パーフェクト」1個、●レース直前▶「アミノバイタル®プロ」1包 ●レース中▶「アミノバイタル®アミノショット」3個(トレランパンツの後ろポケットに携帯。10キロごとに摂取)●フィニッシュ直後▶「アミノバイタル® ゴールド」1包●就寝前▶アミノバイタル®アミノプロテイン

○途中のエイドで採った補給食 バナナ、塩飴、まんじゅう、梅干し

木更津トライアスロン 参戦記

高速コースの罠

 

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旅烏のオリンピック・ディスタンスの自己ベストは、

2008年の天草大会で出した2時間3322分だ。

いつか2時間30分切りをしたいという思いがあったが、

50代も半ばとなり、その目標達成はほど遠くなりつつある。

木更津トライアスロンが開催されて3年。

自衛隊の敷地内の平坦な滑走路を利用する高速コースだから、

1回目の大会は、自己ベスト更新ができるのではないかと

意気込んでレースに臨んだ。

しかし、スイムアップからトランジッションまでの距離が

思いのほか長い上に、バイクは頑張ったが、

ランが思ったようにタイムが伸びず、

結果は、2時間4059秒だった。

2回目は、風雨でコンディションも悪く、2時間512秒。

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レース当日、曇りベースで、思ったより蒸し暑くなく、

コンディションとしては昨年よりも数段よかった。

「お、これは自己ベスト狙えるのではないか?」

懲りない旅烏。

いい歳をして、実は密かにそんなことを考えていたのである。

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PHOTO BY KONDO

スイムは最終ウェーブからのスタートだったので、

前のウェーブでコースを確認し、左端からスタートすることに。

フローティングスタート地点に向かおうと泳ぎはじめたら、

指に嫌な痛みが。

底についていた牡蠣に触れてしまったようだ。

足元は気をつけていたが、まさか指をやられるとは。

あわてて指を見るが、血は出ていないようなので、

そのままスタート地点へ向かう。

左端の先頭から、大外からブイを目指して進む作戦。

指は滲みるものの、我慢できる範囲。

気を取り直して合図とともにスタート。

幸いバトルもなく、コース取りは成功した。

前のウェーブに追いついて、少しもたついた箇所もあったが、

総じて快調に泳げた。

ただ透明度が悪く、いつものコバンザメ作戦ができず、

ほとんど自力で泳いだため、思ったよりタイムは伸びなかった。

それでも 「まだイケる!」

そんな気分だった。

SWIM   0:32:11    (451/1349)

 

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スイムアップしてトランジッションまでのランは、

息が上がってあまり速く走れなかった。

ロングのレースに慣れていると、

ついトランジッションでは、もたついてしまう。

素早い行動がとれないのだ。

少々のロスがありつつバイクコースへ。

バイクコースに入ったとたん、風の抵抗を受ける。

しかしDHポジションで押していく。

メイン滑走路に入り往路は追い風だった。

DHポジションでガンガン行くも、40km/hが精一杯。

前はもっと出たなぁと思いつつ、折り返せば向かい風。

それでも30km/hを落とさないように頑張る。

セントレアが終わってから、バッテリーの調子が悪く

ヌー号(TTバイク)はバイクショップに入院。

合宿をはじめ富山トライアスロン、沼津駅伝などのレースも

すべてキングフィッシャー号(ロードバイク)に乗っていた。

身体に優しいポジションに慣れっこになっていた。

これではヤバいと木更津の前の3週間からは、

攻めのポジションに慣れるため、

ヌー号で練習する予定だったのだが、悪天候が重なり、

思うように乗ることができなかった。

ヌー号での練習不足のせいか周回を重ねるごとに、

肩の方が痛くなってきてしまい、

DHポジションのままこぎ続けることができなくなってしまった。

結局、そのままパワーが出ないままバイクパートが終わってしまう。

BIKE 1:22:37   (562/1349)


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 PHOTO BY KONDO

自己ベスト更新の夢がつゆと消えたものの、

せめてコースベストは出せるかもしれないと、気持ちを切り替える。

しかしランに入ってからも調子は今ひとつだった。

そんなにスピードを上げていないのに、

心拍数がすぐに上がってしまう。

昔は、暑くてもランに入ると、ガンガンスピードを上げられたのだが、

最近は蒸し暑い時のランは、どうも苦手になっている。

まだ今日はマシな方なのに、キロ5分半くらいで精一杯。

エイドで水をかぶるも、ヌル〜くて(笑)。

それでも淡々と前に進むしかなかった。

何度もトリップのメンバーとすれ違ってエールを交換する。

すると少し元気がでるから不思議だ。

周回を重ねるごとに、気持ちだけはスピードをあげているつもりでも、

実際は少しずつ遅くなっていた。

周回を終えてラストスパートをしようと少しスピードアップするも、

数人を抜いただけで、すぐに失速。

しかし最後はなんとか笑顔でゴール。

RUN 0:58:51  (620/1349)

 

結局、自己ベストやコースベストどころか、

コンディションの悪かった昨年よりも

タイムを落とす結果になってしまった。

スイムはまあまあだったが、やはりバイクとランはダメダメ。

課題の残るレース展開になった。

身の程を知らず、「高速コースという罠」に

完全に引っかかってしまったというわけだ。

TOTAL  2:53:39   (508/1349)

GARMINの記録はこちら→

https://connect.garmin.com/modern/activity/1941004333


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PHOTO BY NAKANISHI

まぁ、旅烏のレース展開は別として、

多くのトリップメンバーが集まってくれ交流が深められたし、

沿道の多くの方にあちこちで応援をしていただき、

感謝でいっぱいだ。

日本一の参加人数と人気大会に成長した木更津。

歳を重ねても、まだ過去の自分と闘う気にさせてくれる。

そんな魅惑のコースだ。

なんやかんや言っても、やっぱり楽しいのだ。


また来年も罠に落ちてしまいそうである。


IMG_8705.jpgのサムネール画像

 

備忘録

○自転車  NU (TREK Speed Concept TTバイク)

○ウエア   トリップスピードスーツ(半袖 着替えなし)、レースグローブ、バンダナキャップ(バイク)、サイクルキャップ(ラン)、靴下(バイク、ラン、履き替えなし)

○靴     ON Cloud  Diver & Lime

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 補給食  

●前日就寝前▶アミノバイタル®アミノプロテイン●レース1時間前▶「アミノバイタル®パーフェクト」1, 「アミノバイタル® ゴールド」ジェル1個、レース直前▶「アミノバイタル®プロ」1包●T1 ▶「アミノバイタル®アミノショット」1,●フィニッシュ直後▶「アミノバイタル® ゴールド」1包●就寝前▶アミノバイタル®アミノプロテイン

 

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フィニッシュメダルと今回出場の記念に購入した

島アクセサリー屋「utatane」のキーホルダー


レース後、トランジッションバックを開けて、

中身を確認したところガーミンは入っていなかった。

ということは更衣室の机の上に放置してしまったのか。

順位的に真ん中辺でスイムアップしているので、

多くの選手が更衣室を使っているはず。ああああ。

3年は使っているガーミンだが、

ずっと一緒に練習した、

まだまだちゃんと動いていた可愛い相棒だ。


レース後はあまり眠れなかったので、

夜中に事務局の事情を説明したメールを送るも、

レース翌日の忙しい時に、事務局からの連絡はなかった。

ふれあいパーティの時に、会場の事務局詰所に行って聞くと、

レース中の忘れ物は、

大会事務局のある体育館2階に届いているとのこと。

でもパーティが終わる時間には、もう閉まっているという。

しかたなくレース2日後の朝一で体育館へ行くことにした。


忘れ物が並んでいるところには、相棒の姿はなかった。

事務局のスタッフに聞くと、時計は別の場所に保管してあるという。

事務室の中に入ると、ひとつの机の上に時計が3つ。

そのひとつが旅烏の持っていたガーミンと同じ910XTJだった。

見た目は愛しの相棒と同じ形状だが確信がない。

もちろん充電切れしているので確認する手段がない。

名前と連絡先を記入した後、

レース番号が記されているリストバンドとガーミンを

スタッフの人が、一緒に写真を撮った。

そして、もし自分のものでなければ連絡をすることにして、

ガーミンを受けとることができたのである。


ホテルに戻り、充電開始。

そしてパソコンに取り入れて見ると......。

マルチモードになっていたスイムタイムの表示は、

1:10:17

旅烏と同じだった。

自分のガーミンであることの証明された瞬間だった。


置き去りにされたガーミンのその後の軌跡は、

地図上に残っていた。

スイム会場からあちこち動いて、

最終的に体育館へと到着している。

旅烏がレースをしている間、

ガーミンもまたボランティアスタッフとともに、

あちこち動いていたようだ。

電池が事切れるまで、自分の存在を発信し続けていたのである。

なんとも健気ではないか(涙)。


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ちなみに忘れ物が並んでいる場所から、

バイク用ライトとフロアーポンプは見つからず。

代わりにスペシャルエイドで置いてきたボトルを救出した。

スペシャルで預けた補給食を入れていた紙袋の中に保存されていた。

エイドの人がわざわざ持ち帰ってくれたのだろう。

色合いが気に入っていたが、

捨てボトルとしてあきらめていたのに、

感謝である。


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今年で33回目を迎える全日本トライアスロン宮古島大会。

2002年に初参戦して以来、今年で10回目の出場となる。

この節目にあらためて自分の記録を紐解いてみた。


●自己ベスト 2007年(45歳)

11:43:35 (579/1399人中)

Swim 0:55:18 (311/1399) Bike 5:57:01 (806/1399) Run 4:51:16 (546/1399)

●自己ワースト 2003年(41歳)

13:46:42 (1076/1165)

Swim 1:01:23(811/1165) Bike 7:02:51(1207/1165) Run 5:42:28(839/1165)

●最新のタイム 2010年(52歳)

12:05:38 (703/1534)

Swim 1:03:37 (849/1534) Bike 6:10:50 (1088/1534) Run 4:51:11 (479/1534)


あまりタイムなど気にせずにやってきたノロ亀旅烏だが、

過去の自分と向き合うと、結構速いという印象。

自己ベストのスイムタイムに至っては55分台なんて!

10年後の55歳の今の自分にとっては、夢のまた夢だ。

伊良部大橋ができたので、バイクコースの距離がのび、

コースもハードになっているし、

風や天気の天気のコンディションによって激変するので、

一概に推し量ることはできないが、

過去の自分のタイムを基準に、今回の目標を決めた。


●最低限の目標

Swim 1時間15分切り  Bike 6時間切り Run 5時間切り

●通常の目標

12時間切り

●最大限の目標

自己ベスト更新

 

落車して肩の靭帯を断絶してからは、

スイムが低迷しているので遅めのタイムを設定。

ランは普通に走ることができれば、

5時間はいつも切れているので問題ないはず。

バイクはずっと苦手競技だったが、

その分、伸びしろが一番あると思って、

この冬場は自分なりに練習はしたという手応えがあった。

バイクコースが今までよりハードでも

6時間は余裕で切れるはずだと思った。

バイクのタイムによっては12時間切りはもちろんのこと、

うまくすれば自己ベスト更新なんかできるかも、

と実は密かに皮算用して、ほくそ笑んでいたのである。


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 スイム直前、TTメンバーと。


時計回りのスイムコースは、右オープンなので、

左端からスタート。

かなり大回りになったはずだが、

それでもバトルを避けることができたので、

平常心で泳ぐことができた。

コーナーを曲がる頃から、

あまりに左寄りに泳いでいる人はパスして、

インコース側に寄るように泳ぐ。

最後のブイを曲がった頃に、

海パン一丁で泳いでいるCEEPOの田中さんを発見。

田中さんはスイムが速いことで有名なので、

結構、いい感じかも」と気をよくする。

ほどなく自分より少し速くて、

バタ足をあまり激しくしないスイマーを見つけ、

コバンザメ作戦開始。

心配していた肩の痛みも出ないままスイムフィニッシュ。

1時間10分台だったので、今の現状では上出来である。


スイムアップして、多くの応援に応えながら更衣室へ。

旅烏、ロングの場合、すべての競技のウエアを全とっかえしている。

おまけに5本指靴下も履く。

かなり時間をロスするのだが、それよりも快適性を重視している。

それでもやはり焦っていたようだ。

着替えのため邪魔なので、

1回、時計タイプのガーミンを外して、更衣室の机の上に置いた。

着替えている間にそのことをすっかり忘れて

バイクスタートしてしまった。

机の上に置きっ放しにしたのか、

ウエットスーツとか、そのへんに脱ぎ捨てた荷物と一緒に

トランジッションバックに入れたのかも、定かでない。

またまたやってしまった旅烏。


実はスタート前、真っ暗な時にバイクセッティングしている時、

すでにバイク用ライトとフロアーポンプをどこかに置き忘れて、

探したが見つからず、紛失したばかり。

歳を重ねるごとに、おっちょこちょい度は増すばかりだ。


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まだ調子のよかった伊良部大橋


バイクは最初のうちは練習の成果もあってか好調だった。

2月の終わりにはひとり合宿に宮古島に来て、

コースも把握していたので、平坦な場所では、

向かい風でもDHポジションでガンガン突き進む感じが嬉しかった。

上り坂に差し掛かると反対にガンガン抜かされるが、

負荷をかけて脚を使わない作戦だからと、

あまり気にせず軽いギアで抜かされるにまかせた。

しかし100キロを超える頃から、今ひとつ調子があがらなくなる。

大臀筋の後ろ上部のあたりが重くなってくる。

DHポジションが辛くなってくると、

四六時中ガンガン抜かされる感じ。

しかも、あちこちのエイドでも休憩してしまい

ロスタイムがどんどん増える。

結局、6時間を大幅に超えてバイクフィニッシュ。


時計がないので、

バイクからサイクルメーターを外して更衣室へ駆け込んだ。

今までは苦手なバイクパートが終わると、

「よく頑張った!」と清々しい気分になるのだが、

今回はいつもと違っていた。

バイクの不甲斐なさに、ガッカリした感じだったのだ。

まぁ、それでもランに入らなくてはと、またまた全とっかえ。

5本指靴下もまたまた5本指靴下に履き替えた。

当然、トランジッションで10分以上かかってしまう。


スタートしてほどなく、

トップ選手のキャメロン・ブラウンとすれ違う。

それなりに冷静で、

突っ込みすぎないようにキロ6分弱で走るイメージだった。

右手にスポンジ、左手にサイクルメーターという両手ふさがりで走る。

サイクルメーターを持って走ったことなどないから、

ラップの操作の仕方がわからず、

ただ時間を見るという感じになった。

でも何もないよりは少しはマシか。

防水性に優れているので、

水をかぶったりしてもあまり気にならなかったのは不幸中の幸いだ。


ランの調子は悪くなかった。

バイクの時にあんなに怠かったのに、脚も軽やかだ。

このペースで走れば

バイクの失速を挽回できて自己ベストも狙えるかもしれない。

懲りない旅烏が登場。

前を走る選手を一人ひとりパスしていくことに快感を覚えながら進む、

いやーな奴。


しかしやはりそんなにうまくはいかない。

15キロ過ぎから、気持ちが悪くなる。

日差しは強いが、蒸し暑くはなく、

涼しげな風が吹いていたので、コンデションは悪くなかったのだが、

それでも脱水気味だったのかもしれない。

気づいてからは塩を舐めたりしたが、

すぐにでも戻してしまいそうな感じになった。

歩きはしなかったが、次第にペースも落ちてくる。

ハーフまでも来ていないのに、

こんな状況でフィニッシュできるのか。

一瞬、そんな気持ちまで過ぎったほどだ。


ようやく折り返し地点に辿り着き、

ハーフ地点のエイドで少し腰掛けて休んだ。

そして最後の手段のコーラを飲む。

旅烏にとって、コーラは一か八かのカケ。

コーラを飲んだとたん吐き気を催し、戻しまくることが多い。

しかし数回、コーラを飲んでから、

なぜかスッキリして復活することが稀にあった。


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コーラを飲むと、やはりゲップとともに吐き気が。

しかしそれを我慢しているうちに、気分が持ち直した。

それからは淡々と走ることができるようになった。

ペースも次第にキロ7分弱くらいに回復し、

最後はキロ6分くらいで走りきることができた。


一刻も早くこの苦しみから逃れたいと必死で走っていたのだが、

競技場までの坂道は、

あと少しで終わってしまうという寂しさが沸き上がるようになっていた。

沿道の応援する人たちで鈴なりになっている。

その花道の中を突き進むように競技場に入ると、

ライトに照らされたトラックが目の前に広がっていた。

「謝さん!」

まわりで多くの人の声が聞こえてくる!


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最後はトリップのメンバーがトリップの横断幕を持ってきてくれて、

一緒に走ってゴール。

何度経験しても、感激でいっぱいの瞬間だ。

 

  今回の記録 

2017年(55歳)

12:45:56 (858/1552人中)Swim 1:10:15 (734/1552) Bike 6:18:37 (1105/1552) Run 5:17:04 (749/1552)

 

結局、最低限の目標ですらクリアできていない。

それなりに練習を積んだバイクがやはり一番悔しい結果。

バイクのセンスがないことを痛感。

課題の残る結果にはなったが、

この舞台に立つことができたことに感謝しよう。


BAhbB1sHOgZmIklOZWdhLzIwMTcvMDQvMjQvMDQvNTcvMTkvNjgvOGJmZGYwZTQ4YjkyODQxZDY5NWQwMTE1ZGM4MzllMjY4MDgwYTVmYlsIOgZwOgp0aHVtYiINNTAweDUwMD4.jpeg



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フィニッシュロードに入ると、
スポットライトが眩しかった。
両側の沿道の人とハイタッチしながら、
100mほどのフィニッシュロードを駆け抜けた。
疲れてはいたが、湧き上がる達成感に笑顔がこぼれた。
旅烏の名前をコールして、
「YOU ARE IRONMAN !」と叫んでくれたMCの人とハイタッチして。
フィニッシュラインを越えた。
RUN   5:36:48

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スクリーンショット 2016-09-27 11.05.30.jpg
ガーミンの記録も正式なタイムとほぼ同じ。
コース地図とか、参考にしてください。

フィニッシュ後、疲れ果ててフィニッシュエリアに並んでいた
ベッドに横になり少し休養していると、
腹が減ってきたので、何か食べようとフードスペースへ。
いろいろと並んでいたが、結局、温かいスープしか飲めなかった。
IMG_1292.jpgのサムネール画像
すぅ〜さんと一緒に、バイクのピックアップのためにトランジッションにいる時、
制限時間終了の0時の花火があがった。
多くの花火が夜空を染めて、綺麗だった。
 
IMG_1294.jpgのサムネール画像

以下は、今回の結果の考察などしてみる(笑)。
2014年のジャパンでの旅烏の記録はこちら。
スクリーンショット 2016-10-05 22.17.51.png
15時間台で、1,345人中、963位。制限時間は17時間。
2015年、アイアンマン台湾は、1,023人中、676 位。制限時間17 時間。
スクリーンショット 2016-10-05 22.25.55.png
コースが違うので一概にはいえないが、
旅烏のフィニッシュタイムを比べてみても、かなりレベルが高い感じ。
制限時間も16時間10分で、かなりハードだ。
14時間台のフィニッシュは、旅烏にとっては上出来なのだが、
2012人参加人数中、1518番。
ほぼ4分の3の順位。
Athleate tracによれば、
SWIM終了時 1482位 BIKE終了時 1538位 RUN 終了時 1518位
課題のバイクを頑張った割には、
やっぱりBIKEで順位を落としている感じ。
水温が低く、昨年はダメだったウエットが着ることができたスイム。
肩鎖関節脱臼で靭帯を損傷してからは、ベストタイムだったのは、明るい兆し。
バイクは、キモだった110キロからの峠越えのヒルクライム部分も、
北海道の実証実験よりは短く感じたし、
辛いながらも、部分的には楽しく走れたのも良しとしよう。
ランは、吐き気との闘いだったが、
途中からほとんどエネルギー補給できなかったにもかかわらず、
最後まで走り切れたのは、マヨルカ入りしてから、
ホテルのバイキングで、がっつり食べることができて、
カーボローディングができていたせいに違いない。
またレース日のみ、曇りベースで時折土砂降りという特殊な天候で、
寒かったものの、灼熱の日差しに曝されず脱水症状にならなかったのも、
今となっては、よかったと思う。

ちなみに旅烏の自己ベストのアイアンマンは、2013年のケアンズ。
1,389人中815位。バイクもランもフラットなので、13時間台のタイム。
スクリーンショット 2016-10-05 23.17.16.pngのサムネール画像

透明度の高い海を泳ぎ、
マヨルカ独特の乾いた大地と、峻険な峠と、オーシャンブルーの海岸線と、
そして息を飲むように美しい街並をバイクで疾走し、
リゾートの雰囲気の漂うアルカディアの港町を走る。
コース設定は、絶妙。
また開催されているアルカディアの街も、
リゾートの雰囲気満点で、治安もよく居心地がよかった。
またいつか再訪してみたいものだ。

IMG_1435.JPG
※大会会場からも近く、落ち着いた雰囲気で、ホテルの選択が成功したのも、
よい旅になった要因のひとつだ。


IMG_2380.JPG
※帰途の便から、今回の3種目のコースが見下ろせた。
スイムは手前の湾で、
バイクは画面中央の緑の部分から、
奥の湾を通って山岳コースに入り、再び戻ってくる。
ランは手前の湾の海岸線を周回する。
トランジッションエリアに入り、意気消沈。
バイクラックには、ほとんどバイクがかかっている。
まだ制限時間までには、1時間はあるはずだが、
後ろに、そう何人も残っていないことを実感。
赤色のラン用のトランジッションバックをピックアップし、
オープンテントでまたまた全裸に。
とにかく寒くて、早く濡れているウエアを脱ぎたかった。
ボランティアの金髪の女の子にバッチリ見られた(汗)。
彼女は気にもとめていないようだが、旅烏、赤面。
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※バイクチェックインの時のラントランジッションバックから
奥に更衣室のオープンテント

手が凍えて、うまくウエアは着替えられないし、5本指靴下を履くのも苦労した。
X-LABの通称「し尿瓶」に溶かし込んでいたパワージェルも
雨で半分くらいしか摂取していなかったので、
これではランの途中で、必ずエネルギー切れになると、
トランジッションバッグに入れておいた
すぅ〜さんからもらった、「スポーツういろう」を2個摂取することにした。
これを開封するのに、また四苦八苦した。
普段ならば、簡単にオープンできるはずなのだが、
気持ちが焦るのと、手が思うように動かないとで、
ひとつ空けるのに1分以上かかってしまった。
最後にトイレに寄る。
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この立ちショントイレ。足の短く、疲弊している旅烏には、
難関であった(笑)。
T2  15:23
T2の方がT1より時間がかかったのは、はじめての経験だ。

トランジッションを出て、NILOさんを探すが見当たらず。
後でわかったのだが、
テントで旅烏がノロノロと着替えている間に、
ヌー号を発見したNILOさんが、
もうランに行ってしまったのだと思い、
あわててランコースへ移動して、
ランコース上でも会えないまま、空港に向かう時間となってしまったようだ。
スタート前に握手を交わしたのが、最後となるとは思いもよらなかった。
せっかく忙しい中、弾丸で応援に来てもらったのに、
不甲斐ないタイムのせいで、再会することができなかった。
またまたやっちまった。
申し訳ない。トホホ。

ランコースは、フィニッシュ地点を中心にして、
海岸線を行き来する9キロの周回コースを4.5周回する。
ランスタートして、しばらくはキロ5分ほどで行けるほど、身体が動いた。
自重してキロ5分半に落としたが、
これなら4時間ちょっとで行けるかも、とほくそ笑む。
......凝りない旅烏である。
案の定、6キロ過ぎから身体が重くなる。
まだ1周回目なのに......。
おまけに気持ちが悪くなってくる。
それでも、あまりバイクでエネルギーが摂れていないので、
エネルギー切れを危惧していたため、
7キロ地点のエイドで無理をして、バナナやパワークッキーなどを摂取する。
2周回目に入ったところの9キロ地点のエイドで
唯一このエイドで補給できるレッドブルも摂取。
しかし相変わらず気持ちの悪い状態は、解消されなかった。
そして11キロのエイドで禁断のコーラを摂取したとたん、
一挙に戻した。
完全に胃腸がやられている。
そこから先は、さらに吐き気との闘いで、
水とオレンジの汁を飲むことしかできない状態に。
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※2周回目の15キロ地点付近。
ゴールは、まだまだ先なのだが、もう苦そう。

それでも一度歩いてしまったら、もう進めないと思い、
エイド以外は歩かないことを決意し、前に淡々と進む。
キロ7分半から8分と、どんどん遅くなるが、
それでも前に向かって進む。
次第に暗くなるが、リゾート地なので、まだまだ人が多く出ていて、
沿道の応援が絶えなかった。
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3周回目。24キロ地点。首が上がっている。さらに辛そう。


4周回目になると、人も少なく閑散としてくる。
それでも淡々と前に進むしかない。
日本人選手にも、すれ違うようになった。
LUMINAの最新号で知ったのだが、
世界最大規模の経営者組織YPO-WPOの
日本メンバーによるトライアスロンチームが参加していたようだ。
最後の半周は、もう淡々と走るだけだった。
あと2キロというところから、
少しペースをあげることができた。
12時間台で先にフィニッシュした
TTメンバーのすぅ〜さんが、フィニッシュロードへと入る分岐点で待っていてくれて、
写真を撮ってくれた。
IMG_1364.JPGのサムネール画像のサムネール画像
IMG_1423.JPG

スイムアップしてから、300mくらい走ってトランジッションエリアへ。
完走目的なので、
旅烏、ロングのレースの時は、全種目着替えることにしている。
ヨーロッパ系は、着替えはオープンだと聞いていたが、
一応、男女は別のテントだった。
しかし、素通りできるようなテントで丸見え。
スクリーンショット 2016-10-05 16.50.16.jpg
※並んでいるトランジッションバックの奥に屋根だけのテントがみえるだろうか。
あれが更衣室。写真で見えているのは女子テント。丸見え!!

しかし郷に入っては郷に従え。
そこで全裸になって、スピードスーツにゆっくり着替える(笑)。
きっちり足を拭いて、5本指靴下を履いて、サプリも飲み忘れなく全部摂取。
その分、トランジッションタイムは、時間がかかった(汗)。
T1     12:48

バイク初盤。
調子は悪くなかった。
平坦基調で、ほどよくアップダウンがある。
上りでは、ものすごく軽いギアで脚を温存したため、
ガンガン抜かれるが、
平坦と下りになると、TTバイクのヌー号で、面白いように抜くことができた。
逸る心を押さえながら自重してこぐ。
でも、やはりノロ亀の旅烏、70キロ過ぎから大臀筋あたりが痛くなって
前に進まなくなる。
どうも向かい風のようだ。
なんとか気持ちを新たにこいでいる間に、
スタート会場付近に戻って来て、気分が変わる。
ここからが、本番。山岳コースへと続いて行く海岸線をこぐ。
また追い風になったのか、DHポジションでガンガン気持ちよくこげた。
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※う〜む。宮塚さんもお腹を出してこぐのが良いと指導しているが、
このポッコリは行き過ぎだなぁ。
レース前、カーボローディングにかこつけて、
ホテルのバイキングで、いっぱいスイート食べちゃったしなあ。
内蔵脂肪のせいかぁ? トホホ。

105キロのスペシャルエイドで補給して、
いよいよ山岳コースに入る。
この頃から、雲行きがおかしくなってくる。
ポツポツと雨が顔にかかる。
最初の6キロくらいは斜度は3%くらいなので、
それほど負担なく高度をあげることができた。
途中から7、8%の斜度になり、
徐々に脚に負担がくる。
おまけに、前が見えないくらいの土砂降りになる。
雷が光ったかと思うと、雷鳴が轟く。
周囲には、選手もまばらで、自分に避雷するのではと思うほど。
「きっと日本なら、中止になるだろうなぁ......」
と思うが、まったくその気配なし。
後方から選手が、別に気にすることなく、旅烏を追い越していく。
サングラスから、水が滴り落ち、
汗で曇って、前が見えない。
しかたなく、サングラスを外して、胸元にひっかけて淡々とのぼる。
青息吐息で、上りがひと段落するところまで上りきる。
タクシーで下見していたので、峠はまだ先だと知っているが、
ここからは尾根の上のようなアップダウンなので、
少しひと息ついた。
雨も小康状態となり、ひと安心。
IMG_0929.JPG
※尾根道の両側は、写真のような山肌が広がる。
下見の時の写真。レース日は雲がかかって、あまり景色は見えず。

尾根道の最後、一気に10%くらいの坂を上り切ると、
一気に下り。
ここからが激坂の九十九折。
幸い、雨は止んでいたが、ぬかるんでいるので慎重に下る。
それでも、下りでは、何人も抜くことができた。
IMG_0935.JPG
IMG_0940.JPG
※どちらも下見の写真。こんな九十九折がずっと続く。

九十九折がようやく終わって、ほっとする暇もなく、再び土砂降りに見舞われた。
山の中腹にあるCaimari、Mascari、Campmetという名前の村を次々と通過していく。
趣きのある街並で、下見の時からその美しさに心を奪われて、
通過するのを楽しみにしていたのだが、
ものすごい雨で、街の間を抜ける坂道は、水浸しで川のようになっていて、
滑らないように、下るのが精一杯だった。
マンホールや凸凹の車止めとかもあり、
おまけに雨でブレーキの効きも悪くなり、冷や汗が出た。
落車しなくて、本当によかった。
雨さえ降っていなければ、絶景の街並を気持ちよく下れたのに、
残念だった。
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※下見の写真。素敵な街並でしょ。
レース中はまったく見る余裕はありませんでした。

熱中症の暑さ対策はしていたが、まさか雨の少ないマヨルカで大雨に見舞われるとは。
スピードスーツを来ていたので、だいぶ緩和されていたが、
下っている途中から、身体中が寒くて震えがくるほどだった。
低体温でリタイアした選手が多かったことを、後から知った。
残り20キロからは、65キロ地点からスタート地点までのコースと唯一重なる。
ちょうど、失速した区間で、やはり向かい風で、辛かった。
疲れていたし、まったくスピードが上がらず、
多くの選手に抜かされた。
それでも、17時までに着かないとNILOさんに会えないと
必死で最後の力を振り絞って前に進む。
幸い、16時台には、バイクフィニッシュする。
おおお。これでなんとか女神に会える(笑)。
BIKE  7:10:50
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レース当日。
4時に起床。ホテルの朝食バイキングは5時からだったので、
その前に4時半に、買い出しした朝食をつまんで胃袋を起こす。
5時から本格的に食べて、6時ホテルを出発。
NILOさんとも、ロビーで会うことができた。
わざわざ弾丸で応援に来てくれて感謝!
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トランジッションに向かって歩いていると、
正面から走ってくる大会スタッフに、
「ウエットスーツ持って来たか? オッケイになったぞ!」
と声をかけられた。
昨日の水温からして、もうウエットスーツは装着できないと思っていたが、
念のため、われわれは持って行くことにしていた。
しかし多くの選手は、あきらめて持参していなかったので、
ホテルにウエットを取りに戻る多くの選手たちとすれ違った。
それにしても、スタッフの人たちが、
その情報を一刻も早く選手に伝えようと駆け回っていたかと思うと、頭が下がる。
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トランジッションで最終セッティングをして、
最後のトイレにも行って、
スイムバックをフィニッシュ近くに預けてから、
ちょっと試泳をしている間に、
すぐにプロのスタート時間となってしまった。
NILOさんは本日の夜の便でミュンヘンに帰ってしまうので、
夕方の17時には、大会会場を出発しなければならない。
「バイクフィニッシュのところで待っていますね。頑張ってください」
とNILOさんに言われて、最後に握手を交わして、スタート地点へ。
IMG_1288.jpg
スイムスタートはローリングスタートで、
申告タイムごとに5つのエリアに並ぶ。
旅烏の予想フィニッシュタイムは1:30だったので、
ちょっと頑張って、1:20〜1:30hのエリアの後方に陣取る。
女子プロがスタートした後、
男子プロスタート7分後の7:37にエイジスタート。
ローリングスタートといっても、
タイム申告の速い人から、随時、ゾロゾロスタートする感じだった。
スイムコースは、M字型で、2.4キロ地点で一度、上陸する。
息づきが右オープンなので、左端の大外から泳ぎはじめる。
思ったよりばらけていて、バトルは気にならなかった。
白砂のビーチを過ぎると、一面緑の水草で覆われている。
透明度はいいのだが、マリーナがあるためか、
あまり水質はよくない。
500mを過ぎた頃から、
ちょうど同じくらいのスピードの選手が蛇行して泳いでいて、
進路を何度も邪魔されて泳ぎにくかった。
そのため、スピードアップして、前に出る作戦に。
息があがったが、それからは、マイペースで泳ぐことができた。
あまり体力を使わないように、
同じペースの選手の後ろをドラフティングして距離を稼ぐ。
2.4キロの上陸地点で、手元のガーミンはほぼ60分を示していた。
このペースならば上出来だと、
それ以降も、ビルドアップ気味に気持ちよく泳ぐことができた。
やはりウエットスーツがあるとないとでは大違い。
余力はまだあるのを実感しながら、スイムアップ。
SWIM  1:22:57
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マヨルカ滞在2日目は、
まず大会受付をすます。
スペインのトライアスロン協会の1day会員にならないと参加できないので、
それを支払った後、
選手を証明するリストバンドやゼッケンやナンバーシールなどが支給される。
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受付が終わると、アイアンマンストアに繋がっていて、
その奥にいろんなスポンサーのショップのテントを通過した後、
参加賞のトランジッションバックを配布される。
さすが、商業的にも選手がお金を落としやすくレイアウトされている。
IMG_0878.JPG
IMG_0885.JPGIMG_0887.jpgIMG_0879.JPG
今回のコースのキモは、110キロ地点からの標高差600m峠越えなのだが、
試走するには、あまりに体力を消耗すると思い、
80キロから先の山岳コースを3時間タクシーチャーターして下見をした。
最初の6キロくらいは斜度はそれほどないが、
それ以降は、7、8%の上りが続く。
120キロ過ぎで、この上りは辛い。
かなりビビる。
さらに怖いのは、九十九折の下り!
眼下の谷が牙を向いている。落ちたらたいへんだ。
またまたビビるぅ!
ひとり4,000円くらいかかったが、
一度、見ると見ないとでは、大きく違ったので、
これは散財とはいえないだろう。
IMG_0923.JPG
余裕を持って早めに現地入りしたので、
2日間、時間があったが、
レース前は、あまり追い込まず、
バイクの調子を見るために、バイクの一部を25キロほど試走したのと、
スイムスタート時間に試泳したり、ホテルのプールでほぐしスイムしたり、
日差しが弱くなってからランコースを6キロほど試走したのみ。
IMG_0976.JPGのサムネール画像
IMG_1022.JPG

レース前日には、競技説明会とカーボパーティがビーチで開催。
屋外というのが、すごい。
あまり雨が降らないから、ビーチでも大丈夫なのだろう。
さまざまな言語で、1時間ごとに競技説明会をやるのだが、
その同じ会場でパーティが開催されている。
パーティというよりバンケットスタイルで、
5時間くらいずっとやっていて、
自由に食事をつまむという感じ。
食事内容は、パスタとサラダと飲み物(生ビールあり)程度で、
本当にシンプルで、ごちそうという感じではない。
マレーシアのような豪華版をお望みの方は、ちょっとガッカリかも。
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もちろん日本語はないので、
われわれは英語の競技説明会に参加し、
夕方、バイクチェックインへ。
道を閉鎖してトランジッションエリアが作られている。
バイクとランのトランジッションバッグも持って行かなければならないが、
レース当日でも触ることができた。
バイクやヘルメットのチェックは緩め。
自己責任ということが徹底している感じ。
2000台のバイクが並ぶと壮観。
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ドイツのミュンヘン在住のTTメンバーであるボサノバ歌手のNILOさんが、
応援に来てくれることになっていて、
夜、会う予定だったが、飛行機が遅れて、その日は会えず。
翌朝に会うことになる。
23時近くに就寝。

建物のセキュリティの規約上、編集部は一般公開しておりません。
あしからず。

 

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